待ち合わせの場所に少し遅れてきた彼女は年齢を感じさせないキメの細かい素肌に化粧を一切のせず、ミュウミュウピンク色の太いフレームのメガネを掛けていた。個性的な形のメガネは彼女にとても似合っていた。
ユニオンステーションは広く入り組んでいて新宿駅を思わせるが、人の通りは少なく、カランとしていてちょっと寂しい。ここはトロントのオフィス街、東京でいう西新宿だ。
「さぁ、オイスターバーに行きましょう!」
歩きやすいエメラルドグリーンのバレーシューズをはいた彼女の足取りはとても軽い。
こんにちは、トロントでオイスターはいかがですか。
今日は素敵な大人の女性とオイスターと白ワインを楽しんできました。
場所はユニオンステーションの東から15分ほど歩いたところにある落ち着いた雰囲気のオイスターバーです。バーに行く途中で、最近出来た犬の噴水を見ることが出来ます。
「オイスターには甘いワインよりもドライワインがいいわ!」と言う彼女に従い、白のドライワインを頼みました。
いっぱいにオイスターが綺麗に並べられたお皿が運ばれてきた時の私たちのテンションは上がっていきました。
一日の最後に美味しいものが食べられるんだから今日はいい日だわと言いなが自分の取り皿に移したオイスターにレモンを垂らして食べる彼女は本当に幸せそうでした。その後、ワインを一口飲んで笑みが溢れる。
オイスターが期待以上に美味しかったので、ワインが進み、話が弾みました。
彼女はカナダとイタリアの生活スタイルの違いについて熱を入れて話していました。
「イタリア人だって残業するし、ハードに働くのよ。そして、土日に小旅行へ行ったり、遠出をして食事をするの!」と語る彼女
家族や友達も国内旅行に行ったり、ビーチへ行ったりして休日を過ごすという彼女は懐かしい思い出に浸るようにイタリアでの休日の過ごし方を話してくれました。
他にも
、カナダのモッツァレラは味がしないことや、ハムやチーズの値段が高すぎるなど、食に関する不満や、イタリアの恋愛観はカナダよりももっとオープンだとだとか、もうすぐ40歳でパートナーがいない彼女は何かと周りからお節介を掛けられてそれに飽々している様子でした。
どこの国でもあーだこーだ言われますね。