青い瞳が太陽の光で、緑色に変わる。 近くのスーパーで買ったサラミの切れ端を見て彼女はとても悲しそうな顔をする。 そして、一切れのサラミを細長い指が掴み上げる。
”This is sad”
こんにちは、イタリアはお好きですか。
airbnbで半年分の家を予約し、すぐにイタリアに帰るつもりだった彼女はもうカナダにきて2年経ちます。 「ボスに騙された」と言いながら、彼女お手製のボール一杯のティラミスをスプーンで掬って食べ始めます。
彼女はアメリカンティラミスは甘すぎると毛嫌いしているのでいつもティラミスを自分で作ります。ちなみに、ティラミスはイタリアのデザートです。
日本のスフレチーズケーキが世界中で流行っているのです.アメリカ大陸では勿論、中東でもブームが来ていました。カナダもその一つで、みんなダウンタウンで日本のスフレチーズケーキの袋を持って歩いています。
トルコのイスタンブールに住んでいる友人も私に日本のスフレチーズケーキのレシピを聞いて来ました。
そんな甘すぎるアメリカンティラミスが嫌いな彼女が作るティラミスはビターチョコレートを使っているので、、ほんのり苦い大人の味です。彼女のこだわりは本来ティラミスの上にはチョコレートパウダーを振りかけますが、彼女はあえて、板チョコを砕いて上に乗せます。 口の中でとろけるティラミスに砕いたチョコレートのカリカリとした食感が満足感を高めてくれるそうですよ。
そんなティラミスのレシピを教えてくれる彼女の料理の腕はさすが食を楽しむイタリア人です。以前彼女が作ってくれた、パスタから作ったラザニアは天にも昇る美味しさでした。
そんな彼女はイタリアのワインとチーズ、ハムをカナダで買おうとすると高すぎることを本当に残念そうに語ります。そして、ここで買ったハムもチーズも新鮮ではないと愚痴りながら、最近タバコを控えているという彼女のタバコを吸う手は止まりません。
私もイタリアに近いマルタ島に住んでいたことがあるのでわかりますが、イタリア人はとにかく食事の時間を大切にし、料理を人に振る舞うのが大好きです。そして、自分にも新鮮で美味しい食事とワインを楽しむ時間を与えます。
「カナダの人はとても優しいし、フレンドリーだけど、職場でしか交流がないのよ。変だと思わない」
と話す彼女はとても悲しそうでした。「本当は同僚とブランチにやお茶をしたり、食事を楽しんだり、ホームパーティをしたいのに、夕方にはすぐに家に帰ってしまうのよ!」と叫ぶ彼女ですが、一言言いたいです。それはイタリア人は驚くほど働かないと言うことです。人や会社によるのかもしれませんが、私の経験から言うと働きません。
ここでは口を閉じて彼女の話を聞いていました。
ヨーロッパではご飯を素敵なレストランで食べることもありますが、基本食事を持ち寄って、ホームパーティをすることを好みます。
自分のレシピを披露して、ワインを楽しみます。 そして、食事後のタバコを楽しみます。
最近では、イタリアのタバコの法律が変わり、建物やレストランの中ではタバコが吸えなくなりました。タバコをよく吸うイタリア人にはとても痛い法律です。
知っていますが、イタリアのストリートはタバコの吸い殻でいっぱいです。
「空港のの喫煙所スペースの隣に、マリファナの喫煙所があるなんてクレイジーよ」
と彼女の英語のイタリア訛りが強くなっていくに比例して、ワインのボトルが開いていきます。
「私はどうしてもここのモッツァレラチーズが食べれないは、噛んでも味がしないし、食感がガムみたいなのよ!信じられる?」
自分は食事にそこまでこだわりがないと言い切る彼女はきっと冗談を言っていると私は信じています。
「少しのワインと美味しいチーズとハムを楽しんでタバコを吸って何が悪いの。これが人生じゃない!?」
全く、彼女は本当にイタリア人です。